「がん」という冒険(80)

改めて●先生のことを振り返る。

・時間(約束)を守らない。(平気で2時間遅れてくる)

・Lineのスタンプ大好き。(真面目なやり取りにも無用に使う)

・ハイヒールに化粧濃い。(マスク取るとマスク裏にべったり口紅)勉強中にも化粧直ししているらしい。

やはり何とも型破りである。当時、再三、思ったことは、

我が家だから(家庭教師として)もっているのだろう。

型破りなうえ、αの浪人生としての自覚も成績も全く変わらない(現役であの大学に合格できたのは奇跡)のだから、

私以外の親なら、さっさと断っている。(別の家庭教師にチェンジ)

と確信をもてた。断らなかったのは、主に祈って与えられた家庭教師だったから、

私の意志では断らない、断れない。

こんな、ギャグマンガに出てきそうなキャラクターの家庭教師、現実には探してもとても見つからないだろう。そんな家庭教師だからこそ、

主が我が家に選んでくださった人ではないか?

と思う。それは、

●先生の救いのため?

とも考えるようになった。

ただ、●先生とのことをどうしていいのかわからず、「導いてください」と祈り続けた。祈り会の課題にも出したが、聞いていた姉妹が

「▲姉妹(=私)だからもってる。私だったらダメ( ;∀;)」

他の姉妹も頷かれ、私はそれほど忍耐強いのだろうか、と思った。ならば、なおさら、

主が我が家を狙い撃ちして●先生を派遣されたのだ(。-`ω-)

と思うしかない。

 

最初、●先生が我が家に来られた際に提示されたのは明治大学であった。αの実力では雲の上の大学だし、明治なら浪人したかいがあったというものである。

しかーし、その後、

●先生の口から「明治大学」が出ることは二度となかった。

…………………………………"(-""-)"……………………………………

現役の時もそうだが、私は娘と家庭教師の間に信頼関係を構築してほしいと思い、なるたけ口出ししないようにと心がけた。そうして、

問題な●先生は問題な人のまま、夏が過ぎ秋も深まろうとしていた。

目隠しのまま横断歩道(入試)を渡らせられるという危機感は、いかんともしがたい。

そうして、この危機感を当のαも夫も感じていない(ようにしか見えない)ところが私の危機感を増した。

 

11月2日、気がかりだった乳がんの検査を受けたところで、まず、私はαの勉強を少なからず見ていた夫に現状を問うてみた。夫は英語を話せたし予備校で受験指導していたこともあった。すると、いともさらりと「二浪」という言葉が出た。

この時の衝撃は、頭が真っ白という奴である。声も出ない私に、

二浪で上智にでも行けばいいのではないか?

(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!(-_-)/~~~ピシー!ピシー!

……………………………二浪……………………………*1

この日に受けた乳がん検査が、たとえ黒と出ても、これほどの衝撃ではないと確信した。

今、αが必死に受験勉強していて、「二浪で上智」ならともかく、「買った赤本(もちろん明治も)ほとんどマッサラ状態」のαのどこに、「二浪で上智に受かる」可能性があるというのだろう?そもそも、αは大学には行きたいらしいが行きたい大学は「わからない」。よってモチベーションも上がらない。上智なんぞ、不可能以前に興味も関心もないだろう。浪人の今、勉強しない人間が、二浪になって勉強すると夫は思っているのだろうか???

もはや論争する労力はなかった。(乳がん検査を受けたばかりである)祈りながら家庭教師派遣センターに電話し、電話に出た◇さんという男性職員がウソのように話のわかる人で、初めての電話で自分も浪人生で地方から都内の予備校に出てきて、受験勉強した経験を話された。驚いた。

これはまるでイエス様だと思う。

相手がするすると自分のことを話してくれたことで私も気が軽くなり、言いにくい●先生の苦情を訴えることができた。このままでは目隠しのまま横断歩道(入試)を渡らせられるようだ、と。

●先生は紹介でこの会社に登録したばかりの人のようで、あまり認知されていない。家庭教師としての実績もない。

αの模試の結果を会社にPC送信してアドバイスも受けた。(模試がどれも一番受験生レベルの高い「駿台模試」で、αにはあまり参考にならないことも、ここで初めて知らされた)

コロナ禍でもあったが、◇さんはαと夫に電話で話してくださり、電話だけですべてが進行し、11月13日から☆君という現役早大生の家庭教師登場(zoomで)となった。

(^。^)y-.。o○(^0_0^)(*'▽')(#^^#)(^_-)-☆

αは「一日最低10時間」勉強の身となり、☆君の特訓が始まった。

そうしてαは変わった。

α自身、このままではまずいような気はしても、ずるずると行動に移せずにいたらしい。そこへ救世主☆君の登場によって、αは受験生らしくなった。自分で「●先生ではダメだ」と見限ったのである。

全く主体性のなかったαが自分で判断し、決断した。これは勉強以上に人間として大変な成長である。

 

「トンデモ家庭教師」の●先生と、「プロフェッショナル」な☆君。

しかし、考えてみると、最初から☆君だったら、αはついていけなかっただろうし、年の変わらない家庭教師にコンプレックスや警戒心を感じたように思う。☆君にとってもやりづらかっただろう。

おばさんで型破りな●先生は、思えばほめ殺しだった。双子の妹βは大学生だし、お陰でαは「暗く重い浪人生活」に陥(おちい)らずにすんだのかもしれない。

そういうことを振り返れば、すべてが主の配慮であり、ご計画だったのかと思う。

 

「 神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを私たちは知っています」

(「ローマ人への手紙8‐28)

 

すべてが益となる。

では、49歳(50になったか?)で家庭教師の口を失った(おそらく、今後、まともな家庭教師の口は来ないだろう)●先生にとって、主はどのように働かれて益としてくださったのか、次回に述べよう。

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:+_+