「痛み」(1)

昨年のおそらく12月に入った頃、急に右足が痛くなった。

最初は起き抜けに立ち上がろうとして、ズキッ、と痛んだ。

歩きながら痛みが通り過ぎるのを待つ、というふうであった。

座って立つとまた痛む。

次第に歩いていても痛むようになり、不安になって夫に言うと、

「ババアになって骨の関節が磨滅してんだよ!」

偉そうに言う。夫は私より6歳年上である。

「私がババアならあなたはジジイじゃない」

「そうだよ、ジジイだよ」

そう言われては返す言葉がない。そうして、夫は自分の経験談、痛みのやり過ごし方、治し方をこんこんと語った。

あれからひと月…。

自慢ではないが、私は「痛み」というものとあまり縁がなかった。

巷で耳にする頭痛や生理痛、腰痛や肩こりも知らないし、発熱もしないし風邪もめったにひかない。バッファリンも飲んだことがなかった。(バッファリン処女)

夫には、「青銅の魔人」と言われていた。

妊娠後に「つわり」の苦しみもなければ更年期障害も知らない。

ちなみに「出産」は帝王切開だったので、俗に言う「産みの苦しみ」は知らない。

周囲には四十肩、五十肩、神経痛、子宮筋腫乳がんリュウマチ…になった人もいる。

 

足の痛みは、頻度を増し、歩くにも不自由になって整形外科に行った。

そこでは夫に言われたような「加齢による骨の磨滅」とは言われず、

「原因がわからない」

と首を傾げられた。ただ、理学療法士にマッサージなど色々やってもらったら、かなり楽になった。

「痛み」とは、苦痛であり、味わいたくないものである。

しかし、今回、「痛み」から学ぶことは多いことを知った。

「痛み」とは、肉体の「警告(サイン)」である。

警告を得ることで、どうしてこうなったのか原因を考え、対処を考える。「健康にいいから」というような漠然としたものでなく、どうすればいいか具体的に努力するようになる。

今回、私が考えたことは、カーブスに通ってはいても、パソコンに向き合う時間は長く、運動不足であったこと。

カーブスに通う前にはYMCAのスイミングに通い、30分のランニングも行っていた。

とりあえず、走る(ランニング)ことにする。