「(秘)海女レポート」(2)

皆さま、ご訪問ありがとうございます。
さて、昨日、桂先生と渋谷で映画の試写会に行ってきたのですが、その折に、
「主人公を海女にしたのは先生のお考えですか?」
「いえ、企画からです」
「どうやって海女を調べられたんですか?」
今ならネットですぐですが、40年前ですから。
「何も調べません」
「何も…取材なし」
「そんな15万のギャラで取材なんてやってられないでしょう!」
なるほど、ギャラ15万だったのですね。
で、やっぱり、
「『修道女ルシア』と1、2を争う酷さ」
と言われる。もっとも、どちらも大当たりしてシリーズ化。
「僕が一番、びっくりした」
で、この「(秘)海女レポート」。
先生がどうしてそこまで酷く言うのか…。(これはちょっと…と見てからブログにしなかった作品も実はあります)
旅回りのストリップ一座のヒモ男(正)が一座から置き去りにされ…。
巡業先が海女の村だとわかると、正は海女のヒモになることを考えます。
男達はマグロの遠洋漁業に出かけ、留守を守る海女達は開放的で羞恥心も警戒心もありません。
セックスも晴天下、潮騒を聞きながら…レジャーみたいです。
この正、イノッチこと井ノ原快彦みたいな、ひょうひょうとした感じで、なかなかいいです。 
ある日、観光ランド「夢が丘マリンパーク」に「観光海女大募集」の広告を見つける正は、
海女による水中ストリップショー
を思いつき、親しくなった海女のナツミを誘います。

元々「海女映画」は1954年、青山京子主演「潮騒」(東宝)に始まり、50年代にブームを巻き起こしたそうです。三島由紀夫の「潮騒」。そう言えば、ヒロインは海女でしたっけ…?海から上がると薄い海女装束が肌にピタリと張り付くエロスで、男性客を魅了したそうです。…わかるような気がします。
50年代ブームが終息し、75年、この「(秘)海女レポート」でブーム再燃。この年、山口百恵主演第2作「潮騒」(4度目のリメイク)公開が背景事情としてあるようです。つまり、ロマンポルノ得意の人気一般映画のパロディ」路線を踏んでいる。

ということで、この、
「(秘)海女レポート」は「潮騒」のパロディ
なのだそうです。(DVDの解説に書いてある)
ついては、旅回りのストリップ一座のヒモである正が、海女と出会い…云々というのは、
山口百恵主演第1作「伊豆の踊子
によるらしい。
…旅役者の一座(「伊豆の踊子」)がストリップ一座「(秘)海女レポート」に焼き直されたわけね。
奥深いなぁ、と思います。
そのような下地の上に成り立った作品だからこそ、
夏の定番、シリーズ9作品
となったのでしょう。
DVD見ていて、
「観光海女大募集」
の広告見た途端、
「海女ちゃん」やんけ。
と思ってしまいました。
宮藤官九郎「(秘)海女レポート」から「海女ちゃん」を発想したのだ。
確信してしまいました。