12月25日は、イエス・キリストの誕生日ではありません。(2)

イエス・キリストが12月25日に生まれたのではないとする理由として、聖書のなかに、・「そのころ、世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストから出た」(ルカの福音書2‐1)とあり、これによって身重のマリアも登録のため、夫のヨセフとともに、ヨセフの出身地であるベツレヘムまで約150キロの旅をした。
当時の移動はロバや馬。
住民登録は出身地で行うもので、移動が難しい真冬には決して行われないものであった。

・マリアがイエスを産んだ頃、「さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた」(ルカの福音書1‐8)とあるが、羊飼いの群れが野営できる季節は4〜10月迄で、11月以降は冬期の上、雨季でもあるので野営しないとされている。12月には野原に出ることなく、羊飼いたちが真冬の寒空の下、夜番をしているなどありえないこと。
出産経験者から言えば、妊婦がロバに乗って長旅…しかも、マリヤは目的地であるベツレヘムでイエスを産んでいる。
ようもまぁ…と言いたくなる。それも、「ところが、彼らがそこにいる間に、マリヤは月が満ちて、男子の初子を産んだ。それで、布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである」(ルカの福音書2‐6、7)
有名な逸話であるが、神の子、つまり神(神の子は神)であるイエスは、馬小屋で生まれた。飼葉おけとは、牛馬のえさ入れである。
真冬の馬小屋…。そこで赤ん坊が生まれて大丈夫なのだろうか???
結局のところ、イエス・キリストの誕生日には諸説あるものの確定はされず、正確な誕生日は「わからない」ようである。
では、なぜ、イエスの降誕を祝う日に、12月25日が選ばれたのかと言えば、多くの歴史家によれば、異教徒の祭りがその時期に祝われていたため。
冬至」の時期であるこの日前後には異教の祭りが重なっており、当時の教会が布教拡大を狙って、この日をイエス誕生を祝う日としたものであるらしい。
12月25日は、イエス・キリストがこの世に降誕したことを祝う日であるが、イエス・キリストの誕生日ではない。
というのが、正しい解釈のようである。