警察を呼ぶ(3)

この時の、夜、10時33分に帰宅した娘Bの顔を、何と表現したらいいのだろう。
逆に、一体私は、娘Bがどのような様子で戻ってくるの想定していたのだろう?
それはつまり…どうして帰宅がこんな時刻になったのかによる。春頃に聞いた話だが、知り合いの娘(高2)の同級生が、帰り道に連れ去られ、連れ回されて翌日、帰って来た時には口もきけず、しばらく学校にも行けなかったらしい。
都心である。
特に派手とか、不真面目とかいう子ではなく、勉強もできたらしい。
具体的なことは何もわからないが、その子が「口をきけない」「学校に行けない」……。そして、そういうことは、表沙汰にならない(被害届を出さない)だけで水面下にウヨウヨあるのだろう、と背筋が寒くなった。
学校に行けるようになったとしても、彼女の受けた傷は一生、残るだろう。ああ、怖ろしい。
娘Bを待ちながら、この事件のことがもやもやと頭から離れなかった。
学校は秋休みだが、家にいてもゴロゴロするだけなので学校へ行かせた。(学校を開放して「自習」を推奨している)
部活はしていないし、放課後、一緒に遊び歩くような友達もいない。帰宅は遅くとも、19時までだった。それが、警察に電話して、娘Bが帰宅したのは22時33分。
私は、娘が帰宅しても一人ではないだろう、と思っていた。
警察が付き添っていると思ったのである。が、
娘は1人だった。それも、
泣きそう、とかぐったりしてる、とか…まして、
母親の胸に飛び込んで来る…などない。
遅くに帰ったら、警察が来ていて…ばつが悪い。
というような、顔なのである。
無事に帰って来たのだから、万々歳…のはずが、
腑に落ちない。
本人が言うのに、学校を出てから帰り、最寄りの図書館に寄った。
そこで寝てしまい、閉館時間になって職員に起こされた。閉館時間は19時。
図書館を出た娘は空腹で、自宅へ帰らず駅前で食事をし…
そのまま(何をしていたのか)時間が過ぎたと言う…。取り敢えず、お騒がせした担任教諭に電話をさせ、私も謝った。
これ以上、娘Bを問い詰めても仕方ないだろうとあきらめる。ただ、これがどれ程大ごとで回りを巻き込み、心配させたかを教えた。
そして、一緒に祈った。(無事に帰宅した感謝の祈り)
ここで振り返る。
娘はこの日、携帯を持って出なかった。
(携帯が見つからないので、置いて出たのである)
よりによってこんな日に…(娘が帰って来ない)
と思った時に、
これは主が起こされた、のだと受け取った。なので、娘がいつまでたっても帰らずに、心配したが、
私が娘を(秋休みなのに)学校へ行かせたことを後悔はしなかった。
このことを通して、主が何かを語ろうとされている。
そのように受け取る。
それが何なのかはわからない。
我々は、ただ、受け取るだけである。
翌日は祈り会だった。
娘Bが無事に帰宅したことは前夜、メールでお知らせしたが、改めて姉妹(=女性信者)方の祈りに感謝した。
皆さん、本当に心配してくださった。
すると…
祈り会の最中に、娘B担任から電話があった。
今日、娘から話を聞いたところ、
「これは、言わないでほしいと言われたのですが…」
と前置きされ、
「昨日は、学校へ行かず、ずっと図書館にいたそうです」
\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
なるほど…。
私に蹴り出されて家は出たものの、学校へ行く気がせずに図書館…(?)が嘘でないなら、よかろう。
本人には何も言わず、それからは、「蹴り出す」のはやめることにした。