前夜

「前夜」…何といかめしいタイトルであろう。
まるで、革命でも起こりそうである。
ただの、娘の高校受験で…。私は、
決して教育ママではないし、

娘が難関校を受験するわけでもない。滑り止めは受かったし、明日の第一志望の公立に例え、落ちたとしても…
それを受け入れる覚悟は出来ている。娘も、それはそれで諦めるだろう。それほど大したことではない。なのに…この私の落ち着きのなさは、どうしたことだろう…。
受験は、まず、受験生が朝、起きることから始まる。
娘を起こすのは、母親である私である。もうすぐ高校生ともなれば、目覚ましで自分で起きるのだろうが、私の次女は、自分で起きるどころか、
毎朝、「起きようとしない」「起きる気がない」
挙句、私は、
「踏むよ」
と言うのである。
「踏まないで〜!」
そんな娘なので、仮に、万が一、私が寝坊でもしようものなら…完敗
なのである。別段、私が、
しょっちゅう寝坊しているわけではないし、
眠れないで悩むことはあっても、寝すぎることはない。
なのに、
受験日当日、寝坊したらどうしよう。
という不安が、カビのように生えている。
目覚ましを3個用意して、電池まで取り換えて…
これ以上、どうしろ…?っての?
徹夜で仕事してる夫に、「6時の目覚ましコール」を頼んだ。おそらく、(私は)6時には目覚めているはずなのだけれど…。また、次女は神経性の下痢で、突如、
「トイレ〜!」
と叫んでトイレにこもる。
願書提出の日など、出かける間際、
「トイレ〜!」
で40分こもっていた。これは全く恐怖で、医者にも行き薬も飲み、「正露丸」も飲ませる。出願の日など、
提出した願書が、

正露丸臭い。
と言われ、娘が、
ポケットに入れてた正露丸の蓋が開いてたので…と言って、笑いを取ったのである。
そんなわけで、私は、食べる物にも異常に神経質になった。
たかが、娘の高校受験に、これほど神経過敏になるのは、
これまでの道のり…なのだろう。
我儘な次女が、途中で投げ出すことなく、受験地獄を闘い抜いた。感動、感謝である。
それを無駄にはしたくない。
と、願書出すプレッシャーは半端ではなかった。そのプレッシャーが、今も持続しているようである。どうか、次女が無事に試験を終えられますように…
次女の努力が報われ、祝福されますように…
どのような結果が出ても、それを主の御手から受け取り、感謝出来ますように…
と祈る。