「幸福立国ブータン」(2)

皆さま、ご訪問ありがとうございます。
いつになくインテリジェンスなお題でしたが、予想以上のアクセスで、
このブログ読者の知的レベルの高さを伺い知ることができました。
ε=ε=ε=ε=( * ̄▽)ノノ
さて、前回学んだのがGNH(Gross National Hapiness)=国民総幸福という語でした。おなじみのGDP=国民総生産は経済力の指標とされ、先進国は競ってGDPの成長を追い求めてきました。このGNHの発案者はブータンの第3代国王、だそうです。この3代国王が亡くなり、後継者の第4代国王が王位に着いたのは若干16歳。国内の村々を回り、国民と対話したそうです。ブータンは経済小国でGDPは低いが、心の満足を高めてGNH大国にできるのではないかと発想。「GNHはGDPより重要」と国王が世界に発信したのは21歳の時でした。あっぱれ、というよりありません。
キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
この、GNH、国民総幸福量の4本の柱とされるのが、
1、経済的自立 2、環境保護 3、文化の推進 4、良き統治
というもの。文化や無料の教育の推進、健康や社会的サービスなどで、ブータンでは教育と医療は無料。国家支出の約3割を教育と医療に費やしています。
そもそも、大橋先生がブータンを訪れることになった2007年、1月1日の東京新聞ブータン特集」。
中国チベットからヒマラヤ山脈を越えて越冬してくるオグロヅル。このオグロヅルがやってくる村には送電設備がない。電気が使えないわけですね。日没になれば闇と静寂、寒気に包まれるということです。この村に、送電線を敷設して電化する計画が持ち上がった時、村民は、「送電線ができれば、越冬に来るツルの邪魔になる」と、電化を拒絶。
「暗くなれば寝ればいい」
キタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
『電化を拒んだ村』として、大きく報道されていたそうです。
電気のない生活なんて…我々には想像もつきませんが。何にせよ、自分達の便利さより、オグロヅルを優先するだなんて…。
もう、便利さに慣れきってしまった私達。今更、電子レンジ、全自動洗濯機、自動炊飯器、食洗機…ボタンひとつで何でもやってくれる生活を手放すことは無理でしょう。便利になって余った時間を有効活用してるかどうかは別として、電気のない生活なんて…考えられない!
便利さと引き換えに、大切なものを失っているような気もします。
オグロヅルの他にも…。
「道端に寝そべっている犬を見かけて、『野良犬?』と聞くと、『いえ、私たちみんなの犬です』との返事」
ブータンでは子供達が道端を歩いていると、車で通りかかった人は、家や学校まで送り届けるならわしになっている」
「お茶のカップに蝿(ハエ)が入ったとする。ブータン人は『大丈夫?』と聞く。ところが、この大丈夫は、お茶が大丈夫かではなく、蝿が大丈夫だったかと聞いているのだ」
ブータンには、驚いたことに花屋がないのだ。その背景には、力いっぱい生をまっとうして咲いている花の命を絶ち切って、売り買いすることは、仏教の教えに反する、というブータン人の考え方があるのだ」
…とまあ、心洗われるようなお話の数々。
ブータンでは、チベット仏教に根ざした、人間への深い信頼、助け合い、互助…の精神が徹底しているそうです。家族のネットワークを大切にし、幸福は人間関係にある、とする。この精神は、今、東日本大震災を経て「絆」がキーワードになっている日本にとって、大いに参考になるような気がします。
アメリカ、中国に次いで、GDP世界第3位の日本ですが…。人口の減少、自殺率の高さ、少子高齢化問題…。経済大国であることが、人間の幸福感、満足感と必ずしも一致しないことに、私達は気づき始めています。
幸福とは…?改めて考えてみたいです。
大橋先生→http://president.jp/articles/-/1392