「女死刑囚の脱獄」

主人公、京子の父親と婚約者の狩猟シーンから映画は始まります。
1960年度、白黒、新東宝作品ですから、今から半世紀前の映画です。父親の狩猟の腕前を褒める婚約者、島昭夫。なるほど、ええとこのボンボンそうで、これは父親の政略結婚なのだろうと思わせます。
で、京子はどうしてるかというと…。
ちょっと離れた所で、別の男、赤尾壮一といちゃついてるんですね。
婚約者がいながら、京子は赤尾と結婚するつもりで、しかも、既にベイビーがお腹にいると告白。
赤尾は喜ぶものの、京子の父親には怖くて会えないと…。仕方なく、京子から父親を説得することになり、交換条件として京子はキスを要求。
二人のラブシーンを、京子の義母、美鳥(父の後妻)と義妹、美奈子(義母の連子)が見ていて、美奈子は京子に猟銃を向けます。この辺…ラストになると、見事な伏線だったのだとわかります。
"+;・ο。.・;+:+.。ο・;+*:゜・☆ヾ(・ェ・。`U ♪"
暖炉の前で京子と父親が激しく言い争っています。
婚約者の島でなく、赤尾と結婚すると言う京子に、「どこの馬の骨ともわからない男との結婚など許さぬ」と父親。
京子が赤尾の子を妊娠していると聞くや、父親の怒りは増大し、「出て行け!!」すると「子どもにだって権利があるのよ。出て行かないわ」
この京子、婚約者がいながら恋人作って、おまけにデキちゃってるわけですから、今だってすごいけど、50年前ですからね。
とんでもないご令嬢ですな。
で、父親が一人になってブランデーを飲んだ瞬間…死んでしまうんですね。
死因は青酸カリによる中毒死。
で…、尊属殺人(父親殺し)の容疑者として、京子が逮捕されます。
理由は、
・京子の化粧品の中から青酸カリの入った小瓶が見つかった。
・父親の飲んだ死因のグラスから京子の指紋が見つかった。
・事件の直前まで、父親は京子と言い争っていた。
で、求刑、死刑。
ざまあみろ、因果応報、自業自得やろ〜
シ━━(^(^(^(^(^(^ω^;lll)━━ン
ちゃうちゃう…
いくらなんでも、それはないやろ〜
(#`皿´)<怒怒怒怒怒怒!!!
青酸カリ入りの小瓶なんか、さっさと処分するやろ〜
青酸カリまで用意するほど計画的なら、グラスに指紋なんか残すわけないやろ〜
・・・(゚ω゚;)(-ω-;)(゚ω゚;)(-ω-;)ウ・・・ウンウン・・・
で、京子は盛岡刑務所に入ります。
美貌の社長令嬢が…父親殺しで死刑囚に…。
転落の人生…。
()( )( ) (  ̄) (  ̄ー) ( ̄ー ̄)/
で、女刑務所です。
「ここだって住めば都さ」とうそぶく常連女囚あり、同性愛の女囚あり…。
で、愛を誓い合った赤尾が面会に来るんですね。
はるばる面会に来た、赤尾の挨拶が素晴らしい。
「元気?気を落とさないでね」
\(── 。 ──)DOMO♪
死刑囚に「元気?」もないやろ〜∩(+`ω´+)∩・・・キュゥ
と思ってたら、これも伏線だったのね、と思わせる仕掛けになってます。
京子は7ヶ月の坊やの母親になってるんですね。ってことは、逮捕中に結婚、出産…( ̄0 ̄;)
赤尾に無実を訴える京子。赤尾は、京子の婚約者だった島が怪しいともちかけます。
で、京子は女囚、君江と結託して、刑務所脱獄に成功!
京子は元婚約者の島を訪ねて脅迫するものの…。
島は根っからのお人好しでいい人みたい。
大体、島が京子の父親を殺す理由なんかないやんけ〜(`□´) コラッ!
で、元婚約者でええとこのボンボン→島昭夫
  デキちゃった婚した夫で貧乏人→赤尾壮一
善玉と悪玉が入れ替わりながら、ドラマは展開します。
京子を逮捕した刑事が、「一匹の魚(脱獄した京子)を追ってるうちに、他の魚が大きく見えてきた」なんて言って、島との間に友情めいたものが生まれるシーンもあり…。
おおっ、なかなかやるじゃん、新東宝ドモ\( ̄▽ ̄*)(* ̄▽ ̄)/ドモ
でも…。見終わって、ちょっと物足りなかったのは…。やはり、
「女囚さそり」
を期待してたんですね。(期待させるようなパッケージだった)
「女囚さそり」は1972年、この映画より10年以上後ですから、やっぱりこの映画、傑作だと思います。中川信夫の映画としては、あまり評価されていませんが)
ただ…やっぱり「グラスの指紋」は気になる。