重松壮一郎ピアノライブ

生き物だ…と思う。
形のない見えない生き物が、会場を覆い、観客一人一人の情感を揺さぶり、掻き鳴らす。
ピアノ奏者は、まるで「音」を操る魔法使いか猛獣使い。
ピアノは魔法の杖か、ムチのよう。
水のせせらぎのように、ひしめく宝石の輝きのように、光の洪水のように…曲が、音楽が、あった。

音楽が「生き物」だと感じたのは初めてのことだ。
乃木坂コレドで行われた重松壮一郎ピアノライブ
即興演奏とオリジナル曲で全国を公演する「旅の音楽家」らしい。風にしなう葦(あし)のような、細身の綺麗なお兄さんだった。
お兄さんもピアノも黒子のようで、巨大な「音楽」が龍のように狭い会場を蠢(うごめ)いていた。
そんなふうに感じたのは、コンサートやリサイタル、ライブ…など、生の「音楽」に私が不慣れなせいかもしれない。CDで聴くクラシックなど、出来上がった「名曲」でしかないのだと思う。
もっと、生の音楽に触れなきゃ。
目を閉じると、まるでサントリーホールにいるみたい。(サントリーホールに行ったことはないが"(-""- )")
目の前に黒い帽子に黒縁メガネの田中宥久子がいた。

ライブが終わって所さんと地上へ上がる。
所さんというのは、1985年から続く、毎日新聞の連載で、昨年、第38回日本漫画家協会賞大賞を受賞した所ゆきよしさんである。私なんぞが気軽に呼び出して会ってもらえる方ではないのだが、メールすると出て来てくれるのである。良い人である(^O^)/…というより、変なオジサンなのだ。ピーター先生と言い、私は昔から「変な人」に好かれる、見込まれる…という特技がある。(「変な人にしか好かれない」という説も…( ̄▽ ̄;))
所さんとの出会いというのは、記憶にないくらい前。所さんの所属する漫画家集団の展覧会が銀座であり、一緒に行った毎日新聞の人に「どの絵が一番好き?」と聞かれて、私の選んだのが所さんの作品だった。それを、毎日新聞の人が所さんに教えて、それがきっかけである。「最終日に来たら、(作品)あげるよ」と言われ、のこのこ出かけて行った。不思議と言えば不思議。私は毎日新聞の人と親しいわけでも何でもなく、おそらくそれ以来、会っていない。所さんもそうで、今、その人がどうしているのかもお互い知らない。
赤坂で懐石をご馳走になる。
所さんの何処が変態かと言うと…。例えば、
去年、TBSのニュースキャスター(土曜夜10時)で所さんが紹介された。所さんの私生活を密着取材していたのだが、その散歩映像をビートたけしが「パンツ泥棒みたい」と言った。(確かに見えなくもないけどf(^ー^;)私は腹が立った。それを会った時、所さんに言ったら、
「嬉しかったぁ〜ヽ(^∀^*)ノあーい♪」
満面の笑み!とてもプライドの高い人なだけに、本当に嬉しかったのだろう。やっぱり変態なんだ、と思った。
所さんの話題には、やなせたかしがよく登場する。前述の日本漫画家協会賞大賞の表彰式でも、やなせたかしが「所ソング」を作ってくれたそうである。
このやなせたかし、言わずと知れた、「あんぱんまん」で巨万の富…(現在進行形)。御年91歳。
「ガン3つ『飼ってる』って(^-^)」
「…奥さんは?」
「先に亡くなった」
「子供は?」
「いないよ」
「ヾ( ̄_ ̄ )/\( ̄ー ̄)/\(  ̄− ̄)ノ」
「漫画家協会のパーティあった時、会計足りなくてさ。そしたら、やなせさんがポケットから500万出した…」
「シ━━(^(^(^(^(^(^ω^;lll)━━ン」
所さんは、前日も「母の日」イベントで仕事、明日も締め切り。6月には展覧会を4つ控えてて、ブリジストンのカレンダーの仕事云々…

(ヽ>ω<)ヒイィィィ!!●~*ヒイィィィ!!(>ω<ノ)ノ

所さんにいただいた絵は、今も大切に飾っています。私の目に狂いはない!「世界の所ゆきよし」になってね( ̄へ  ̄ 凸