遅ればせながら、映画「アバター」見て参りました
私、自慢じゃないけど、SF大作とか超娯楽大作…というものには興味なく、見たところで楽しめた試しもなく…「インディジョーンズ」「スターウオーズ」「ジェラシックパーク」…ロクに見てません
アバター」にしても、そのまま素通りしてDVDでも見るはずないし…。おそらく、生涯「アバター」を見ることなしに人生を終えていただろうと思います
別にね、アバター」見ないで死んでも後悔しないよね?そう言えば…。
「余命一ヶ月の花嫁」じゃないけど、突然、死を宣告されたら…見ないで死んだら後悔しそうな映画があり過ぎる。でも、きっと映画なんか見てる余裕なんかないよな。ああ…、想像しただけでパニックになりそう


アセアセo(^^;o)Ξ(o;^^)oΞo(^^;o)Ξ(o;^^)o


冷静に冷静に…(^-^)v
そんな私が、アバター」のために映画館に足を運ぶことになったのは、ある人に誘われたから…。それは…「個人教授」(1)(2)に登場するピーター先生。個人教授の後、お茶を飲みながら
「『アバター』は観ましたか?」
と聞かれ、
「いいえ」
ピーター先生、ロードショーの映画は大抵、試写会でご覧になってるものの「アバター」は未見とのこと特に見たいわけでもないけど、ここまで話題になると「見ておかないと」という心境になってるとか。
「じゃ、行きましょうか」
ということに。


別に、先生と六本木東宝ヒルズで「アバター」見たことは本題ではないのです。
実は、『多重映画脚本家 桂千穂』(ワイズ出版という本があるのですが、(定価2800円もしたf(^ー^;)これを最近、読み出したら非常に面白く、ピーター先生にますます興味が沸いたわけです。はい…何気に流しましたが、桂千穂」が、ピーター先生の筆名です
先生とのご縁は、私がシナリオ講座の生徒だった時分に始まり、当時の講師だったのですね。そして、私がデビューのきっかけになった映画シナリオ新人賞の審査員長でもあられたのです。

ここだけの話ですが…。
『ベィビーフェイス』という私の応募作、実は3次審査で落ちていて、最終審査に残らなかった。それを、「最終審査に残るレベルである」と最終審査に引き上げてくださったのが先生でした。ま、生徒の頃から目をかけていただいて、コネがあったのです。
で、蓋を開ければ満場一致で一席入選!
というわけで、私にとっては恩人であり恩師なのであります。今も同じ東横線沿線に住んでいて、ご縁の深さを感じます。

かように先生とのお付き合いは長いのですが、この『多重映画脚本家 桂千穂には、知られざる先生の顔が書かれていました知ってはいても、改めて活字で読むと唸ってしまうようなことも…。
例えば…


この、桂千穂」という芸名…違う、筆名の由来…


先生のデビューのきっかけになったのも、私と同じ映画コンクールでした。受賞作『血と薔薇は暗闇のうた』は、悪魔の教団、黒魔術、背徳、エロス…その内容は当時、既成のシナリオから遥かに逸脱し、悪意と刺激に満ち溢れていた、とあります。今から40年ほど前のことです。そして、注目すべきは、

・黒い原稿用紙に白インクで書かれた女文字
・作者は桂千穂。応募写真(というものがあったんですね)はショートヘアの健康的な美女。
・昭和22年生まれの(当時)24歳
・釧路生まれ、聖霊女子短期大学卒。現在無職


これ、経歴詐称というより、経歴捏造(デタラメ)…まるで、フィクションを語っています。
事実は、

・本名は全く違う
・男性
・昭和4年、東京生まれ。41歳の中年
早稲田大学

その上、受賞コメントが


「敬愛する三島由紀夫さんにこの作品をおめにかけられなかったこと――それだけが残念でなりません」(三島は前年に自決)


受賞作発表後しばらくは、作者「桂千穂」は若い女性、しかも美女だと思われていたわけです。…怖いですね。
「いつまで経っても書いた本人が表に出てこないじゃないか」――。応募写真を見れば綺麗な女の子だし、関係者一同、早く会いたくてしようがなかったわけです。
事実は小説より奇なり、ですね。
笑ってしまうのは、コンクールの選評

「作者名を知らないで読んでも、これは女性だとわかる作品」
「この作者は男を知らないのでは」
「処女性が作品に出ている」

なんて…( ̄▽ ̄;)


桂千穂」なるうら若き乙女を期待していたところへ、41歳のオッサンが出てきたのですから、シナリオ界にちょっとした波紋を巻き起こしたそうです。40年前ですから、日本映画界にも真面目な人が多かったと。
結局は、シナリオ作家協会のお偉方が受賞作を「面白い」と評価して、事なきを得たようです(^ー^)
以後、経歴詐称は一切ダメ、ということになったそうですが。


本の冒頭に、映画評論家、北川れい子さんの言葉に、

「脚本家・桂千穂氏の実像は、永遠の『妖怪少年』である」


とあります。『妖怪』だけに常人には手に負えない部分もあるのだが、少年的な資質もたくさん持ち合わせていて、そのアンバランスさが、桂千穂の『多重性』にもなっている、と。
言い得て妙…

ちなみに、この応募写真に使った女性は東宝演劇部の女優だったそう。彼女が「桂千穂」だったというのではなく先生本人は、「小川知子」という筆名で行こうとしたそうです。当時、「夕べの秘密」がヒットして、ファンだったそうです。それを東宝演劇部の女優に却下されたとか。

…何処まで本当なんでしょうね?

とにかく、二度の結核でデビューが遅れた先生。土壇場のやけっぱちで「桂千穂」経歴詐称デビューしたわけです。


・*:..。o○☆*゚Congratulations!!・*:..。o○☆*゚


80歳を迎えられたピーター先生
映画脚本79作。大林信彦監督との作品も数々あるのですが、日活ロマンポルノが53本
『多重映画脚本家 桂千穂』には、ロマンポルノ作品についても詳細に語られてあり、とても面白かった。そして、

先生のロマンポルノ作品をブログで紹介したいのですが」
と申し出たところ、
「ありがとうございます」
という返答をいただきました
そして、本日、先生、オススメの作品を持参していただく約束をしました

受け取ったDVD、タイトルは…


「色情妻 肉の誘惑」(1976年)


です。

お楽しみに…


":*・゚☆.。.:*・゚£(。・""・)o[†...Thanks...†]o(・""・。)β。.:*・゚☆.。.:*"