協賛 女性自身

メニューを注文し、煙草吸って一服する石川さん。
6時半、青山。約束の8時まで、夕食しながらの打ち合わせである。逸(はや)る心を制しながら、私は頃合いを見計らって、さりげなく言った。
「『女性自身』の協賛取れました」
ぽかん、と真顔になる石川さん。確かめるような目でこちらを見る。
「『協賛 女性自身』てチラシに載せていいそうです」
この時の石川プロデューサーの反応は、
「キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!」
ではなく、
「わあい\(^▽^\)(/^▽^)/わあいっ」
でもなく、
「--(゚∀゚)-( ゚∀)-( ゚)-( )-( )-(゚ )-(A゚ )-(゚A゚)--イ!!!!!」
であった。
「言わなかったじゃない」
そんな号外、取れたら、即座に知らせるでしょ!というところだろう。こちとら、それほど若造ではない。
「今日の午後に編集長に電話して…」
「すごいなぁ」
「女の武器を使いました( ー_ー)ノ」
「女の武器?…ないじゃん( ̄‥ ̄)=3 フン」
と、軽くかわされ、
「やはり、これは神が…」
「|* ̄Д ̄*||*-д-*||* ̄Д ̄*||*-д-*|」
白ける座を盛り上げようと、
「箔(はく)がつきますよね」
「もう、全〜然、展開変わりますよ。『え、「女性自身」さん、ついてんの?』ってことになるもん」
「お手柄?」
と聞いたら、
「お手柄なんてもんじゃない」
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
『女性自身』…否、『女性自身』様とは、今年1月18日発売号の「シリーズ人間」の仕事を通して、去年からお付き合いがあった。によって、石川さんから、「協賛のお願い」をするように言われていた。プロデューサー的立場からすれば当然のことなのだろうが、私にとっては、ひどく、とても、ものすごく、重圧で、気の重い仕事であった。別に石川さんは、
「協賛をいただけ」
と言ってるわけではない。知らぬ仲ではないのだし、ダメ元で、
「お願いしてみろ」
と言ってるだけである。『女性自身』と言えば、誰もが知る女性週刊誌。舞台のテーマとも符号するし「お願い」しない手はない。と、私も頭では思う。によって、編集長にメールで「お願い」してみた。返信はなく、
「NOの返信なんて、したくないよね」
ただでさえ忙しいのに、そんなもの対応してられるか、と私も思う。それでも石川さんが、
「メールの次は電話。ダメでも返事をもらってください( ̄Д ̄)ノ」
と非情にも言う。ダメでも招待券は送るし、今後のこともあるから、と言われれば、なるほど…とも思う。
メールはともかく、電話は苦手だ。恐怖と言ってもいい。だって
編集長は、尻に毛が生えてそうな肉食系。
では、全然なくて、
物腰柔らかな草食系。
なのだが…。もう、これは私の個人的な病気なのでしょう。
電話は元々苦手だし、その上、売り込み、営業なんて…
(ヽ>ω<)ヒイィィィ!!●~*ヒイィィィ!!(>ω<ノ)ノ
この日も、編集長に電話するのに、
「(夕方石川さんに会うから)石川さんに電話してもらおう」
とか、逃げの一手を色々考えたものの、それにも疲れ…。
どうせ、留守番電話対応
なのは知っていたので、
「プロデューサーに『ダメでも返事をいただけ』と言われまして…」
と伝言を残すことに思い至りました。
それでも、昼間からワインかっくらい、編集長に電話して、案の定留守電。
「プロデューサーに『ダメでも返事をいただけ』と言われまして…」
そして、
「次回も頑張りますので、また、ご連絡させていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いします」
ε=ε=ε=ε=( * ̄▽)ノノ
一人でオチをつけ、これで一応、石川さんとの義理も果たした…と安堵したところへ…。
編集長からの着信。
を受けたのでした。
田邊編集長、誠に、誠に、ありがとうございます。
ドモ\(´▽`*)(*´▽`)/ドモ
そして、この日は、次なる協賛先…。
http://www.bar-r40.com/
に向かったのでした。