2011-05-14から1日間の記事一覧

哀しみのモーツァルト(1)

2008年、筑摩書房から出版された石堂淑朗著『偏屈老人の銀幕茫々』の序文は、こんな文章で締めくくられていた。 「私の文章の仕事は本書で終わりました。後は冥界で実相寺昭雄や今村昌平と会うだけです」 これは……遺書である。文筆を生業とする人間の遺書だ…