「がん」という冒険(17)

オミクロン株が猛威をふるっている。

「過去最多を更新」と連日のように耳にする。

感染していても無症状で、無意識に周囲に感染させている場合もあるという。

今日もテレビを見ていたら、芸能人に感染者が多いのは、仕事の関係上、二日に一度検査しているからで、普通ならそれほど頻繁には検査しないから、実際の感染者はもっと多いだろう、と言っていた。

怖い。

怖いので、マスクを二重にしてカーブスに行く。(適度に運動した方が、がんには良いらしい)

そしたら、すぐにマスクが曇り、自転車に乗ってると本当に危ない。

どうにも不自由で二重マスクはやめたが、怖い。以前の私なら、

免疫力高くて風邪もひかない。(前に風邪をひいたのはいつだったか?)

を誇っていたから、私がコロナに感染する頃には、コロナで世界は死滅している、と思っていた。それが、

風邪もひかないのに、がんになった。

明らかに私は病人(重病人?)であり、コロナに感染すると重症化リスクのある「基礎疾患」を調べたら、

免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)

としてがんも入っていた。

 

実は、3回目の抗がん剤治療の日、私はドクターから、

(血液検査の結果)白血球の値が下がっている。

と言われたのである。おおざっぱに説明すると、体外から侵入するウィルスや細菌などと戦う白血球が減少すると、さまざまな感染症にかかりやすくなり、抗がん剤治療が継続できなくなることもある。しかしこれは、多くの抗がん剤治療にみられる副作用であり、悲観するようなことではない。しかし、

これを予防する注射が、1本100000円。

\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?

健康保険適用で、私の場合は3割負担の国民健康保険だから、

(税抜き)30000円ということになる。

この診察室でアデランスのカタログ渡された(医療用ウィッグが240000円とか)時もそうだが、

人の弱みにつけこむ詐欺ではないか。

と思うような値段である。これが特別なことではなく、ざらにあることなら、これから一体、いくらかかるのだろう、と思う。

そんなわけで、二日後、私は税込み32870円の注射を打ったのである。

そういえば、30代で乳がんになった友人が、がん保険で助かったとか、電話をくれた元デスクが、とてつもなく高い注射があるとか言ってたことを思い出した。

がんになったが、とくにリスクは感じない。

とこのブログに書いたが、お金のことを忘れていた。病院に行くたび、かなりな出費である。高額療養費制度というのを教えられ、区役所で手続きはしたから、そのうちいくらか戻ってくるようだが、チャラになるわけではあるまい。

 

オミクロンを怖がる要因には、この1本32870円の注射をしたことが相当、こたえているような気がする。