「捨てる」

秋になった。

真夏(8月5日)に引っ越しをして、旧居の跡片付けがまた大変で、引っ越しを終えてからの8月初旬、新居と旧居を一日、自転車で3往復くらいした。

旧居のカーテンはお気に入りだったので、洗濯して干して、新居に持ち帰った。

カーテンを洗濯したのは初めてであった。8年間、洗濯しなかった。

洗濯機と冷蔵庫は買い替えて、古いのを引き取ってもらうのにも立ち合わねばならなかった。

古い本の撤収ーー図書館に寄贈する。

(ゴミ出し日に)間に合わなかった「燃えないゴミ」を、自転車の前かごに山のように積んで新居に持ち帰り、ゴミに出した。

8年間暮らした住まい、たまった汚れもただごとではない。

最終日には、拭き掃除のバケツや掃除機など、私は自転車しか運転できないので、タクシーを呼んで新居に運んだ。

旧居を撤収し、不動産屋に鍵を渡した8月12日、コロラドでランチを食べたが、そこで水を3倍お替わりした時の水の美味しさ(アイスコーヒーより美味しかった)、爽快感は忘れられない。

忘れられない夏の思い出になった。

そして…秋。

新居は想定した以上に住み心地よく、快適だが…。

「荷ほどき」が終わらない。

本というのは、面倒である。

図書館に随分、「寄贈」というかたちで処分させていただいたが、

昔、愛読した愛着感から捨てられない。

(読まなければという義務観念があり)捨てられない。

(何かの役に立ちそうな気がして)捨てられない。

(捨てるには惜しい気がして)捨てられない。

……一度に廃棄は精神的にも負担があるので、徐々に……処分していきたい。

衣服に関しても、引っ越し業者から、

「売るくらいある」

と言われた。

着道楽ではないけれど、今は亡き父と、一緒に買い物をした。

母とではなく、父と、大阪の心斎橋や銀座で買い物をした。

今となっては良き思い出である。

父に買ってもらった服は、なかなか処分できないけれど、

着ないものは捨てる…しかない。

そんなこんなで、「捨てる」作業に励んでいる。