「やすらぎの刻~道」(下)

またしても…時間が経ってしまった。(すみません)

桂木怜子(大空真弓)と中川玉子(いしだあゆみ)コンビの芝居は、本当に見せ場で、今も録画を消去しないである。

桂木怜子…100円ショップで万引きを繰り返し、「100均ばあさん」としてマークされている。怜子は万引きした商品(100均には色々なアイデア商品がある)をやすらぎの郷の居入者にプレゼントしている。

万引きの疑いで店の控室に連れて来られた怜子。バッグの中を見せるようにいわれ、

「お見せしますよ。でも、この中に何も入ってなかったら、どうなさるおつもり?」

「その時は、むろん、あやまります」

「どうやってあやまるの?」

「…とにかく中を見せてください」

「だからその前に、どうやってあやまるおつもり?」

すごい迫力なのである。

さすが、元大女優を思わせる。そして、

「あのね…あなた今、レディに向かってものすごく失礼な、恥をかかせてらっしゃるのよ。おわかり?」

そう言われた店員の返した言葉が、

「おばあちゃん」

怜子は思わず息を吸い込み、

「あなた今、わたしのこと、おばあちゃん、って言ったわね」

「…バックを」

「あやまんなさい」

「すみません」

そうしたやりとりの後、店員に渡した怜子のバッグはカラだったのである。

口で謝り、商品券を渡す店員に、怜子は土下座させる。

 

騒動の後、怜子と玉子。

怜子の万引きがばれなかったのは、玉子が加担したからだった。

「気持ちすっきりなさいました?いつまでなさるおつもりですか?」

クールな玉子。

「そろそろおやめにならないと危険ですわ」

「…」

「どうしてあんなことが楽しいのかしら」

「スリル…それに」

「…」

「さみしいから」

名台詞である。

そこには、高齢者の印影がある。

それが見事に、描かれていた。

圧巻だった。